ピピナナ&真木野聖コラボレーション企画 第5弾

『Twitter DE コラボ Part2』
  〜ピピナナ&真木野聖 作〜

◆◆<1>真木野聖◆◆
俺は甚平に付き合わされて行った祭で射的場の人気者になっていた。
的に当てる事が面白れぇだけで景品なんかは要らねぇ。
周りに群がっている子供達に全部くれてやる。
甚平はそんな事に夢中になってと俺の事を馬鹿にしやがったが科学忍者隊随一の射撃の名手である俺にはこんな物でも外せなかった。
★2017.07.07★

◆◆<2>ピピナナ◆◆
なあに、簡単な事さ。
目を瞑っていても撃てる。
手を伸ばせば届くくらいの距離だ。
何て事はねえ。
おっと、また命中したぜ。
子供達が景品を争って喧嘩を始めた。
それを仲裁に入った人物がいた。
おや? あいつは…。
見覚えのあるヤツだった。
忘れもしねえ。
やっぱりあいつだ。
★2017.07.07★

◆◆<3>真木野聖◆◆
確かしらゆき孤児院に在籍していたキックボクシング好きな少年だ。
甚平も声変わりをしたがこの子も成長したもんだ。
俺達が左官屋の真似事をした時にはもう少し幼かった筈だ。
射的で注目を浴びるのにも飽きて来た処だし俺はこれが潮時だと思った。
甚平に彼奴の話をすると思い出したようだった。
★2017.07.07★

◆◆<4>ピピナナ◆◆
俺は甚平に話し掛けるように促した。
だが、甚平は俺の陰に隠れて話し掛けようとしない。
何でも、孤児院時代に苛められていたという。
おかしなヤツだ。
今となっては、甚平の方が強い筈なのに。
そこで、俺は甚平の代わりに少年に話し掛けた。
少年は「何だ、こいつ?」という目で俺を見た。
★2017.07.09★

◆◆<5>真木野聖◆◆
孤児院を出たのか?と俺は訊いた。
少年も俺が孤児院の再建を手伝っていた事をうっすらと思い出したらしい。
俺に隠れるようにしている甚平にも気付いた。
おう、いつもジュン姉ちゃんに甘えていた甚平じゃないか、と少年は言った。
甚平は逃げ出したそうだ。
良く見ると少年は作業着を着ていた。
★2017.07.09★

◆◆<6>ピピナナ◆◆
少年は孤児院を出た後、大工の見習いをやっていると言った。
手に目をやると酷く荒れている。
苦労してるんだなと思った。
甚平は何やってるんだ?と少年は訊いた。
甚平は言葉に詰まった。
まさか科学忍者隊だとは言えない。
さあ、どう答えるか見ものだと俺はほくそ笑んだ。
★2017.07.09★

◆◆<7>真木野聖◆◆
おいらは国際科学技術庁の研究の手伝いをしてるんだよ、と甚平は言った。
何だ、つまらねぇ返事だな。
ジョー、もう行かなきゃ、と甚平が俺の手を引っ張ったので、俺も射的場を離れた。
ジョーの兄貴のせいだからね、と言われてもな。
あいつはあいつで頑張ってるじゃねぇか、と俺は甚平に言った。
★2017.07.09★

◆◆<8>ピピナナ◆◆
屋台の並ぶ通りを歩いていると、先程の少年が追い掛けてきた。
国際科学技術庁で働いてるなら、科学忍者隊も知ってるんだろ?と少年は言った。
甚平は思わず頷いてしまった。
何やってやがる、全く。
じゃあ、紹介してくれよと少年は甚平に詰め寄った。
この申し出にも甚平は頷いてしまった。
★2017.07.12★

◆◆<9>真木野聖◆◆
おいおい!
俺は甚平を咎めた。
自分がどこかで変身して出て来るつもりか?と思った。
その時少年の腕を掴んだ奴がいた。
大工の棟梁らしい逞しい男だ。
「仕事をサボって祭りになんぞ来やがって!」
男は少年にビンタを喰らわすと引き摺るように少年を連れ去った。
全くこれこそ救いの神だな。
★2017.07.12★

◆◆<10>ピピナナ◆◆
だが大工の棟梁はすぐに引き返してきて言った。
いえね、あいつの妹が重い病気で科学忍者隊に会いたがっているんでね。
俺と甚平は顔を見合わせた。
こいつは一肌脱がない訳にはいかなくなったぜ。
俺も甚平も人情には弱い。
だがそういう事の為に科学忍者隊をやってる訳じゃねえしな。
★2017.07.12★

◆◆<11>真木野聖◆◆
忍者隊は決して正体を明らかにしてはならねぇ。
そんな事は解っている。
俺は棟梁に言った。
科学忍者隊の正体を知っているのはISOの南部博士だけだと。
すると棟梁は南部博士の連絡先を訊いて来た。
俺達は研究を手伝っているだけで博士の直接の連絡先は知らねぇ。
そう答えるしかなかった。
★2017.07.12★

◆◆<12>ピピナナ◆◆
そこを何とか!と棟梁は尚も食い下がってきた。
すまねえな。
俺と甚平はその場を去ろうとした。
だが、そこへまさかの人物が現れた。
南部博士!
なんでこんなところに?
後ろには忍者隊の他のメンバーもいる。
一体どうしたんだ!?
俺は目を疑った。
訳がわからねえ…。
★2017.07.12★

◆◆<13>真木野聖◆◆
忍者隊だけならギャラクターかと思えるが博士まで来るのは解せねぇ。
博士は俺と甚平に向かって微笑んだ。
手紙が届いたのだよ、と博士は言った。
妹の事を思って少年が博士に手紙を書いたようだ。
処が棟梁の様子が変だ。
明らかに忍者隊の登場にビビッている。
俺は鋭い眼で棟梁を睨み付けた。
★2017.07.12★

◆◆<14>ピピナナ◆◆
何だか臭うぜ。
俺はそういう嗅覚はいいんだぜ。
そこへ、さっきの少年が走って来た。
そいつは棟梁じゃない!偽者だ!
やっぱり!
俺は棟梁の腕を捻り上げようとした。
だがヤツはするりと抜けると、高笑いを始めた。
聞き覚えのある、甲高い声だ。
えっ!こんなところにカッツェが…?
★2017.07.12★

◆◆<15>真木野聖◆◆
祭の場はカッツェの登場で騒然となった。
俺と甚平は賑やかな屋台の裏側に回って変身した。
そして俺は素早く奴の背後に回り、首筋にエアガンを当てた。
博士をこんな所に呼び出して何を計画しやがった?と俺はカッツェの背後から訊いた。
呼び出したのは僕なんです、戸惑ったように少年が告げた。
★2017.07.13★

◆◆<16>ピピナナ◆◆
実は妹も祭りに連れて来てるんです。
南部博士を呼び出せば、ギャラクターが現れると思って…。
そしたら、科学忍者隊も駆け付けると思ったんです。
本物の忍者隊を見せるチャンスだと思ったんだ。
消え入るような声で少年は言った。
何だって!?
俺は腸が煮えくりかえるのを感じた。
★2017.07.13★

◆◆<17>真木野聖◆◆
気持ちは解るがそれがどう言う事なのか解っているのか?
この無駄な出動の間に何処かの都市でギャラクターが暴れていたらどうするつもりだ!
俺は少年を殴ろうとしたが、その拳は健に受け止められた。
もういいだろう、と健が言った。
早く妹さんを連れて来い。
5分しか待たないぞと奴は告げた。
★2017.07.14★

◆◆<18>ピピナナ◆◆
本物の科学忍者隊を見て少年の妹はたいそう喜んだ。
その後ろ姿を見送った俺達は帰還する事にした。
だが、おかしいぜ。
何か忘れている事があるような。
あっ!
カッツェを忘れていた!
慌てて辺りを見回したが、ヤツの姿は見えない。
騒ぎに乗じて逃げてしまったらしい。
俺とした事が…。
★2017.07.14★

◆◆<19>真木野聖◆◆
俺は変身を解いて祭の中をカッツェの姿を追って走り回った。
ジョー!と健が呼ぶ声が聞こえたがお構いなしだ!
すると一際背の高い女の後ろ姿が眼に入った。
祭の風景に合わせて朝顔が華やかな浴衣を着ていやがるが、あの背丈、長い髪、そしてキツい眼付はギャラクターの女隊長以外の何者でもねぇ。
★2017.07.15★

◆◆<20>ピピナナ◆◆
俺は人混みを掻き分けて行き、女隊長に追い付くと、肩をグイッと引いた。
女隊長はわざとらしく、きゃあっと声を上げた。
人混みの視線が一気に俺に集まった。
か弱い一般女性に絡むチンピラという構図が出来上がった。
くそう。
女隊長は震える振りをしながら、うっすらと笑みを浮かべていた。
★2017.07.15★

◆◆<21>真木野聖◆◆
カッツェが消えてこの女隊長が現れた。
どう言う事なんだ?
カッツェが出て来てすぐに消えた意図も解らねぇ。
俺はカップルの喧嘩を演出し、女隊長の腕を掴んで人目のない所まで引っ張って行った。
だが途中で掴んでいた細い腕の感触が掻き消えた。
カッツェにしろ此奴にしろ逃げ足が速い奴らだ。
★2017.07.15★

◆◆<22>ピピナナ◆◆
カッツェにも女隊長にも逃げられた俺は、酷くマヌケだった。
一体どうしたというんだ?
何だか調子が狂っている。
体調が悪い訳ではないんだがな。
もどかしい感じがする。
そこで、俺はハッと目が覚めた。
なんだ、夢だったのか?
だが、手には女隊長の感触が残っている。
訳がわからない。
★2017.07.15★

◆◆<23>真木野聖◆◆
俺は飛び起きて周囲を見回してみた。
間違いなくトレーラーのベッドに居る。
おかしな状況も夢だったら納得が出来る。
一体何を暗示する夢だったのか。
感触が残っているのは何故だ。
考えても仕方がねぇ。
ベッドから降りた時博士からの出動命令が入った。
ようし!気分転換して暴れてやるぜ!
★2017.07.15★







★今回のコラボの感想★
  (コラボ期間:2017.07.07〜07.15)

<ピピナナ>

皆様、最後までお読み頂きありがとうございました。
今回も真木野さんのペースで話が進みました。
私はついていくのが精一杯でした。
無事に終了したのは、ひとえに真木野さんのお陰です。
でも、私も負けてはいられません!
このコラボをより良いものにするため、頑張ります!
皆様、第3弾もお楽しみに。


<真木野聖>

今回のコラボもピピナナさんに引っ張って戴きました。
どうもまだ私には勘が戻っていないようです。
ジョーフィクはもう800本も書きましたし、もういいかな〜?と思っていますが、このコラボ企画は楽しいですね。
それと単なる自己満足なのですが、前回のも今回のも、私の全てのツイートが140文字きっかり(改行分も含め)となっています。
そんな処で頑張っても仕方がないのですけど。(;^_^A
今回の締めは本当に稚拙でお恥ずかしい限りですが、とにかく此処までお読み戴き、有難うございました。
近い内にPart3が始まりそうな予感がします。
その時には何分にも宜しくお願い致します。









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