『空中空母への潜入』

「科学忍者隊G−1号、ガッチャマン参上!」
「G−2号、コンドルのジョー参上!」
例えゴッドフェニックスのバードミサイルのスイッチの前で争う事があろうとも、この2人のコンビネーションには磐石の物があった。
今回はジュン、甚平、竜をゴッドフェニックスに残し、2人でギャラクターの空母基地へと潜入していた。
2人が機関室を爆破して脱出、その後ゴッドフェニックスから攻撃を掛ける作戦だ。
当然乍ら、敵兵に行く手を阻まれた。
「健!此処は俺に任せろ!構わず目的を果たせ!」
「解った!頼んだぞ!」
「ああ、気を付けろ!片付き次第すぐに俺も追い掛けるぜ!」
言うや否やジョーは反転して、敵の顎にフックをぶち込み乍ら、別の隊員に長い足でしこたまキックを決めていた。
更に風のように敵兵の中を駆け抜けて、華麗に羽根手裏剣を使い、バサバサと敵を斃して行く。
(これは早く切り抜けねぇと健も同じ目に遭ってるな…)
ジョーはとにかく雑魚隊士を一掃する作戦に出た。
エアガンのアタッチメントを付け替えて、小型爆弾をセットし、狙い違わず発射する。
数人の生き残りは捨て置き、ジョーは急ぎ健の元へと向かった。

案の定、健は機関室の前で肉弾戦を演じていた。
「健!大丈夫か?」
「ああ!早かったな、ジョー」
2人は背中合わせになった。
健の白とジョーの蒼が良いコントラストになる。
ほぼ同じ背格好。
背が高く、細い体型だが、2人とも筋肉質である。
背はジョーの方が5cm高いが、体重は変わらない。
しかし、膂力に加え、銃と羽根手裏剣の腕はジョーの方が優れていた。
健は合理的に闘える方法を慎重に考えるタイプで、この2人はそれぞれにお互いを補っている。
勿論、健のブーメランは彼にしか扱えない。
自分達の持分を解り合い、口には出さずとも相手の能力を信頼していた。
「ジョー、時間が無いぞ。いつ街に攻撃が加えられるか解らない」
「解ってるって!」
話し乍らも、2人は確実に敵兵を倒して行くが、如何せん数が減らない。
健がブーツの踵から小型爆弾を取り出した。
「ジョー!ドアを爆破するぞ!」
「OK!」
ジョーは健が爆弾をセットしたのを見届けて、飛び退(すさ)って、通路に伏せた。
敵兵が巻き込まれて吹っ飛んで行く。
小型爆弾は直径15cm程の小さな穴を空けただけだった。
思いの外ドアが頑丈に出来ていたようだ。
「よし!俺に任せろ!」
ジョーはその15cmの穴から中を覗き込み、動力源を見つけると、強力爆弾のアタッチメントをセットしたエアガンの銃口をそこから挿入して、狙いを定めた。
「健!伏せろ!」
ジョーは引き金を引いて、自身もその場に伏せた。
中から大爆発が起こり、ドアがその爆風で弾け飛んだ。
2人はバードマントで自らの身を守った。
強力な金属製のドアの破片が2人を襲った。
特にドアのすぐ近くに居たジョーのマントの上には多くの破片が覆い被さっていたが、ジョーは難なく起き上がった。
「ジョー!大丈夫か?」
「ああ。大丈夫だ。脱出するぜ!」
「おうっ!…竜!作戦成功だ!俺達が脱出次第、超バードミサイルを発射する」
『ラジャー!』
ブレスレットから竜の声が返って来た。
「俺にやらせろよ!」
疾風のように駆け抜けながらジョーが念を押した。
「ああ、いいだろう。お前の働きが無かったら、作戦は上手く行かなかったかもしれんからな」
「ご褒美って訳か?」
ジョーはニッと笑った。
敵の残兵を叩きつつ、2人は無事に脱出してゴッドフェニックスのトップドームへと飛び移るのだった。




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