『ついのべ』◆No.001〜No.050◆
 ツイッターで呟いた140文字の物語です。
 ジョーに関するもののみアップします。

(※『ついのべ』=『ツイッターノベル』。
  ツイッターの限られた140文字の世界で、小説を書こうと言う呼び掛けから始まったそうです。
  実際には『#twnovel』と言うハッシュタグを付けるので140文字以下となります)


<050>

ジョーの奴、何だってあんなに意地を張っているんだ。
どう見てもおかしいと思うのに…。
あいつは俺に心を開かない。
固く閉ざした心が俺の介入を頑なに拒んでいる。
ジョー、一体何があったんだ?
長年共に過ごした俺にも言えない事なのか?
少しはその苦しみを俺に分けてくれないか?
★2013.11.09★

<049>

俺だってシャワーを浴びるのが億劫になる程任務で疲れ果てる日もあるさ。
だがおかしい。
こんなに毎日疲れが取れねぇなんて今までにこんな事ぁなかった。
やはり俺の身体はどうかしちまっているのか?
身体がどうしようもなく重い。
引き摺るようにシャワーを浴びてベッドに倒れ込んだ。
★2013.11.09★

<048>

人を愛する事はしないと決めていた。
今の任務がある限り、正体が知れたり危険な目に遭わせたり、哀しい思いをさせる事になるからだ。
だが彼女は違った。
そう言った事を通り越して好きになり掛けていた時にサーキットで逝っちまいやがった。
馬鹿野郎。
愛が形になる前に死ぬなんて。
★2013.11.09★

<047>

俺はトレーラーハウス住まいだから、日々自然と触れ合える生活を送っている。
いい場所も良く知ってるぜ。
海を眺めるのにいい場所、夕陽を眺めるなら此処が絶景、とかな。
これは一定な場所に住まっていたら考えられねぇ生活だぜ。
一旦この生活を経験すると他の暮らしは考えられねぇ。
★2013.11.09★

<046>

羽根手裏剣の訓練をするのに板を沢山買って来て森の木々にぶら下げた。
様々な高さに設定してある。
俺はこれを移動しながら撃ち破って行くんだ。
時には落ち葉を射抜く事もある。
動く物を狙うのが俺達の闘い方だからな。
カカカカカっ!と気持ち良く決まった時気分がスカっとするんだ。
★2013.11.09★

<045>

俺はまだ生きているのか?
仲間と別れてもう随分経ったような気がする。
地鳴りが聞こえた。
地球の最期が近づいている。
俺は地球と心中する気はねぇ。
俺が全部背負い込んでやるから地球は何としても生き残れ。
執念を込めて投じた羽根手裏剣が装置に挟まったのを俺は見たような気がした。
★2013.11.09★

<044>

いつでも半袖で過ごせる気候のユートランド。
此処に住み着いて10年になる。
俺が両親を殺されて自分も重傷を負って、島から助け出されてからの時間だ。
俺は復讐心だけを募らせて育って来た。
この人生を賭けて俺はやってやるつもりだ。
自分らしい人生を生きるのは次の人生でいい。
★2013.11.09★

<043>

ふと思う事がある。
こんな生活がいつまで続くのだろう、と。
いつまでもギャラクターとイタチゴッコしているつもりはねぇぜ。
一刻も早く奴らを壊滅させて、俺は俺の道を生きたいんだ。
その時は仲間達と離れるかもしれねぇ。
俺は世界中に通用するレーサーとなって羽ばたきてぇんだ。
★2013.11.09★

<042>

森の風景っていいもんだ。
トレーラーハウスは森の中に停めておく事が多いな。
レースの前はサーキットだがよ。
森の新鮮な空気を吸っていると闘いで荒んだ心が洗われて行く。
無意識にそう言った場所を選んでしまうみてぇだぜ。
夕陽が綺麗な丘も俺のとって置きの場所なんだ。いいだろ?
★2013.11.09★

<041>

「俺の心だと思って持っていてくれ」
あいつはそう言って大切なブーメランを俺に手渡した。
俺は既に意識を手放しつつあったが、そのブーメランの感触だけは何故か感じる事が出来た。
奴の瞳に涙が浮かんでいた事も、何となく解っている。
すまねぇな、健。
これが俺の生き方だったのさ。
★2013.11.08★

<040>

川の流れを見ていると心が洗われるようだ。
やがて海に流れ着き、大きなうねりとなる。
海は俺の故郷の島へと続いている。
夕陽が沈む時自分に向かって出来るキラキラと煌く道はまるで歩いて行けば故郷に辿り着けそうな錯覚に陥らせる。
水の流れは人を和ませる。
何よりもその音がいい。
★2013.11.08★

<039>

射撃の腕には自信がある。
何しろ国連軍選抜射撃部隊から何度もスカウトが来ているぐれぇだからな。
任務で出場した国際射撃大会でも優勝したぜ。
俺の動体視力は並外れていいらしい。
弾丸の弾道を見切る事が出来るのも知らぬ内に身に付けた特技だ。
人は何かしら取り得があるもんだな。
★2013.11.08★

<038>

強い雨がフロントガラスを殴るかのように叩いて行く。
G−2号機を降りた俺はそんな雨の中佇んだ。
俺はもう駄目なのか?
自分の病名を知って何になる?
闘えなくなるのはごめんだ。
隠し通せるだけ隠して、その間に本懐を遂げる事。
俺にはそれしか残された道はねぇ。
それしかねぇんだ。
★2013.11.08★

<037>

立っていられない程の激しい眩暈。
自分の手が幾重にもダブって見える。
こんな事じゃバードミサイルどころか羽根手裏剣もエアガンも使えねぇ!
俺の身体はどうなっちまってるんだ!
焦りばかりが募る。
だが仲間や博士に知られる訳には行かねぇ。
任務から外される事だけは絶対に駄目だ。
★2013.11.08★

<036>

眩しい位晴れやかな空。
トレーラーハウスのドアを開けるといきなりその光が眼に飛び込んで来た。
俺は決して朝寝坊ではない方だ。
季節感がないユートランドだが、少し陽が延びたのかな?
こんな日は身体を動かすのが気持ちがいいから後でひと運動しようか?
ようし、まずは腹拵えだな。
★2013.11.08★

<035>

赤いボタンの前で争う事はあるが、あいつは普段は気の置けない仲間でもある。
同い年だしな。
忍者隊の中で一番長く共に過ごして来た男だ。
だが、どうしてあんなに生活能力がねぇのか、不思議で仕方がない。
任務の時はあれだけ聡い男がだ。
俺達の七不思議と言ってもいいんじゃねぇか?
★2013.11.08★

<034>

子供の頃の俺だけの秘密の樹。
生命の炎がまさに燃え尽きようとしている今、俺は此処に戻って来た。
必死に上る。
この樹の頂点に達しなければならない、そんな気がした。
最早頭痛も傷の痛みもない。
上り詰めたらパノラマのように故郷の夕陽が拡がった。
ああ、こんなに美しかったんだ。
★2013.11.08★

<033>

甚平。
おめぇはこれからいくらだって夢を探す事が出来る。
若さを謳歌する事だって出来る。
闘いが終わった頃には恋愛をするのに丁度いい年齢になっているかもしれねぇぜ。
おめぇは俺達と違って、まだ子供らしさを味わえるんだ。
自分の可能性をいろいろ試してみろ。
子供らしく生きろ。
★2013.11.08★

<032>

小さい頃に居た島は風光明媚な場所だった。
ちょっとした観光地でもあった。
観光客を案内すればチップを貰えた。
そんな事もあって少しだけ日本語も覚えた。
本格的に覚えたのは博士に引き取られた後だが今はもう全く不自由しねぇ。
ことわざまで言えるようになったぜ。
大したモンだろ?
★2013.11.08★

<031>

後出しジャンケンのような卑怯な手を使うカッツェが憎い。
俺の両親も奴に殺された。
直接手は下しちゃいねぇが、殺させたのは紛れも無くあいつだ。
俺の眼の前で両親の生命を奪いやがって。
況してや俺がギャラクターの子だなんて、冗談じゃねぇ。
誰が俺の運命を翻弄しているんだ!?
★2013.11.08★

<030>

俺はこの肉体の全てを武器として闘う。
羽根手裏剣とエアガンとはもう一体化しているような物だ。
俺の思い通りに狙いを定めてくれる。
敵兵を切り拓いて行く時、俺の全身が武器となって奴らの中に飛び込んで行く。
闘いの中に在る時はサーキットにいる時と同じ位、生きていると感じる。
★2013.11.08★

<029>

彼には心地好い疲れが残っていた。
今日は訓練室で戦闘訓練に明け暮れた。
トレーラーに戻るとするりと服を脱いでシャワールームに入った。
筋肉質で無駄な贅肉の一欠片もない肉体が露わになる。
シャワーで丁寧に身体を洗うと、白い泡がその筋肉を滑って行った。
芸術的と言うしかない。
★2013.11.08★

<028>

生きるとは素晴らしい事だ。
生命の躍動がある。
俺達はまだ10代の若さだ。
将来は明るい筈だったが闘いに身を投じた為に恋愛すら出来なかった。
自分の正体を知られてはならねぇからだ。
気になる子はいたさ。
でもあの世に行って再会するまで結ばれる事はなかった。
逢えて良かったぜ。
★2013.11.08★

<027>

いつか本懐を遂げる日が来ると信じていた。
それが自分の手で出来なくなった時、俺は仲間達にそれを委ねた。
奴らならきっとやってくれる。
だが自分が放った羽根手裏剣が結果的に地球を救ったと知ったのは、俺が死後の世界に逝ってからだった。
今はそれだけで満足だ。
やる事はやった。
★2013.11.08★

<026>

トレーラーのすぐそばにはハンモックを吊るしてある。
星が美しい日にはそこで眠る事もあるが、森の中の空気は澄んでいて空も一際綺麗に映っている。
星空を眺めていると眠る事を忘れちまうんだ。
地球ってちっぽけなんだな。
だが沢山の生命が暮らす星だ。
この地球を俺達は守っている。
★2013.11.08★

<025>

敵の攻撃は容赦ねぇ。
俺も手は抜けねぇ。
脚を低く繰り出して敵兵を薙ぎ払って行く。
羽根手裏剣を同時に何本も放って敵を同時に斃して行く。
出来るだけ敵の中を切り拓いて行くのが俺の役目なのさ。
健は全体を俯瞰していなけりゃならねぇからな。
自然と俺がその役目になるって訳だ。
★2013.11.07★

<024>

射撃の腕がどうやったら上がるかって?
そりゃあ、天性の物と努力とどっちもあるがよ。
俺の場合は天性の物みてぇだぜ。
動体視力も元々優れてた。
敵の銃弾の弾道を見切る事が出来るぐれぇだからな。
羽根手裏剣の腕とも多少関係あるかもしれねぇ。
とにかく場数をこなす事だぜ、甚平。
★2013.11.07★

<023>

羽根手裏剣の扱いにはコツってもんがあるんだぜ。
誰でも俺のように扱えると言う訳には行かねぇ。
俺が独自に編み出した訓練法で指1本の加減で上手く扱えるように苦心した結果だからな。
一分の狂いもなく、狙いを定めたら最後、必ず相手を仕留める。
それが俺のやり方だ。
やるだろ?
★2013.11.07★

<022>

誰かさんと違って俺はちゃんと代金を支払っているぜ。
賞金で何とか暮らして行けるしな。
トレーラーハウス暮らしでかなり生活も楽だぜ。
賞金は貯めておいて将来自分のチームを作る為に使うのさ。
いつかきっと世界的レーサーになってみせるぜ。
その為にはギャラクターを斃さねぇとな。
★2013.11.07★

<021>

愛機の整備は万全だぜ。
後はトップでチェッカーフラッグを通過するのみだ。
G−2号機はいつだって俺を爽快な気分にさせてくれる。
俺の優勝を妨害する奴は抜き返してやるのみさ。
悪いが俺は目先の勝負事からは眼を背けられない性分でな。
そこのコーナーを曲がれば優勝だ。
貰ったぜ!
★2013.11.07★

<020>

待て、そのメカ鉄獣にバードミサイルを撃ち込ませろ!
何だって火の鳥なんだ!?
確かに効き目のないミサイルだがよ!
試してみたっていいじゃねぇか。
何だって!?
残り弾がねぇだと?
俺が使い過ぎたからだって?!
ふざけるな。
今日はまだ1発も使ってねぇぜ。
それはないだろ、博士…。
★2013.11.07★

<019>

疲れたぜ。
何もかもにな。
だがよ、俺は前向きに生きて来たつもりだぜ。
1度も後ろを向いた事はねぇと自負出来る。
俺の生き方には一点の曇りもねぇ。
貴様らとは違うんだ。
1人でも多く地獄への道連れにしてやるぜ。
纏めて掛かって来い!
どうせ華々しく散るつもりで此処に来たんだ。
★2013.11.07★

<018>

生きたい。
俺だってそう思ったさ。
でも、もう助からないと言うのなら、残りの生命の使い道は俺が決める。
そうだろ?
病いに朽ち果ててベッドの上で死ぬなんて俺には考えられない。
そんな死に方は俺が許さねぇ!
だから、俺は行く。
みんなに不義理をしてでも。
それこそが俺の生き方だ。
★2013.11.07★

<017>

思えば壮絶過ぎる人生だったな。
俺の死に様もまた壮絶だ。
だが多分これでいいんだろう。
俺は満足して死んで行けるし仲間を泣かせる事だけが心残りだ。
「これが俺の生き方だったのさ」
健に告げた言葉が正直な俺の気持ちだ。
充分に生きた。
生き急いだ。
そう思いたい。
今は心穏やかだ。
★2013.11.07★

<016>

雑魚兵を1人倒すのに1秒と要らない。
羽根手裏剣をシュッと舞わせれば事は終わる。
時にはエアガンを使ったり、肉弾戦にもなるが、常に次の敵を見切って行動しているから、俺は自由に闘いの中で生きている感じがする。
羽根手裏剣もエアガンも俺の思うがままだ。
俺の身体の一部さ。
★2013.11.07★

<015>

俺達は1人を除いては孤児ばかりを集めたチームだ。
生命の遣り取りをするからこそ、考え抜かれて選ばれたんだろうな。
勿論10代の敏捷性も買われたに違いない。
だがG−5号だけは何故両親もいるしあんなにデブっとした体型なのに選ばれたんだろうか。
まあ操縦の確かさは見事だが。
★2013.11.07★

<014>

俺は『コンドルのジョー』と呼ばれる男だ。
猛禽類の代表として、もう1羽の大鷲と共に翔ぶ。
密かに大鷲とコンドルは良いコンビだと思っている。
俺達2人のコンビネーションで面白いように敵をバサバサと倒して行く。
このコンビネーションは悪いが他のメンバーでは駄目みてぇだぜ。
★2013.11.07★

<013>

チェッカーフラッグをトップで受けた時の達成感と爽快感は溜まらねぇ。
いつか敵を斃して本懐を遂げた後は、俺は絶対に世界的レーサーになって見せる。
既にスポンサーになりたがっている連中もいるが、実は俺は今までの賞金を貯め込んでいるんだ。
自分のチームを作りてぇと思ってな。
★2013.11.06★

<012>

残りの10日余りをどう生きてやろうかってもう決まっているじゃねぇか。
例え余命が縮まろうともギャラクターに一泡吹かせてやる事しか考えられねぇ。
仲間や博士には不義理をする事になるがこれが俺の生き方なんだ。
仕方がねぇ。
解ってくれとは言わねぇがよ。
後悔だけはしたくねぇ。
★2013.11.06★

<011>

ギャラクターのメカ鉄獣が復活しやがった!
それも何体もだぜ!?
一体どうなってるんだ。
くそぅ、ふざけた真似をしやがるぜ!
俺が纏めてバードミサイルでぶっ倒してやる。
健、止めるなよ!
何?『火の鳥・影分身』だって?!
ちぇっ、俺の出番だと思ったのによ…。
まあ、仕方がねぇか。
★2013.11.04★

<010>

カッツェの野郎は絶対に許せねぇ。
卑怯な真似ばかりしやがる。
それも自分の部下を見捨てて平気で逃げて行くあの根性が気に喰わん。
俺の両親だけじゃねぇ。
健の親父さんもあいつのせいで死んだ。
俺のような子供を2度と出さねぇと決めているがなかなか本懐は達成されねぇ。
悔しいぜ。
★2013.11.04★

<009>

故郷の島に行ったのは自分の出自を知ったからだ。
それまで両親の墓参りに帰る事も許されなかったので、黙って出奔した。
まさかあのような悲劇が起ころうとは知りもせず俺は島に上陸しレンタカーを借りた。
墓参りには10年間誰も来なかったとか。
悪かったと思うがどうしようもない。
★2013.11.04★

<008>

もっとやりたい事があるんだ。
サーキットで走っている時に呼び出されるといつもそう思う。
俺は復讐と自分の夢との狭間でいつだって揺れている。
レーサーになるのは小さい頃からの夢だ。
その夢はもうすぐにも掴めそうなのに、ギャラクターが蔓延っている間は無理だ…。
やるしかねぇ。
★2013.11.04★

<007>

遥か彼方に身体が飛ばされたような気がする。
仲間達と別れてまだ数分と経っていない。
俺の魂は身体を離れたのか?
故郷の島の風景が見えている。
何時の間にか俺を苦しめた頭痛や眩暈、身体中に浴びた銃弾の痛みも消えている。
これから地獄へ向かうのか?
覚悟はとっくに出来ているさ。
★2013.11.04★

<006>

海は嫌いだった。
親父とお袋が殺された場所だからだ。
今は癒しの場所になっている。
夕陽が美しい場所を見つけたからかな?
何より海は故郷に続いている。
還りたいとは思わない。
2人はそこにはいないから。
でも、闘いが終わったら墓参りに行きたい。
復讐が終わった事を報告するんだ。
★2013.11.03★

<005>

頭痛と眩暈で眠れなかった。
ベッドに横たわっているのに頭がクラクラし、頭痛にのたうち回る。
俺の身体はどうなっちまったんだ?
何かに蝕まれている事は確かだが任務から外されるのは御免蒙る。
もしこの生命、残りが少ないのなら、奴らを必ずこの手で斃してやる。
それが俺の本懐だ。
★2013.11.03★

<004>

任務で助けた猫は妊娠していた。
任務中に無事に生まれたと言う知らせを受けて、生まれたばかりの仔猫を掌に乗せた時、俺達はこんなに小さな生命を守っているんだなと思った。
本当に小さい。
眼も開いていない。
俺達が守ってやらなければ。
俺のような子を2度と出さない為にもきっと。
★2013.11.02★

<003>

朝の訪問者。
「ミャ〜」
ミルクが欲しいのかい?
ちょっと待ってろ、少し温めてやろう。
チビ、おめぇ男の子か?
拾ってやる訳には行かねぇが里親探しぐれぇなら一役買ってやれるかもしれねぇぜ。
今日はサーキットに行くから後で連れて行ってやる。
誰かに可愛がって貰いな。
幸せになれ。
★2013.11.02★

<002>

俺は自分の生まれを不幸だとは思わねぇが、どうしてそうなったのかと恨みがましく思ってしまう事はある。
これは両親を否定している事にも繋がるのだ、と解ってはいるが。
自分の出自が斃すべき敵の子だったと知った時の慟哭は誰にも解るまい。
復讐に生きる俺にはどれだけ辛かったか。
★2013.10.30★

<001>

今日の空はどこまでも青い。
ハンモックの上で寝ていると何とも心地好い空だ。
わざと身体を使って揺すってみたりしながら、都会の喧騒から離れてこの森の中の空気を胸一杯吸い込む。
ブレスレットが鳴ったが、暫く無視していたい位だ。
まあ、そうも行かねぇか。
こちらG−2号どうぞ!
★2013.10.30★






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